misc@Y - 日々の徒然

気がつけば50台前半のビジネスマン。今は横浜を拠点に、ラン、自転車、その他細く長く楽しんでいます。パリ在住期間の徒然も楽しい記憶。

『失敗の本質 - 日本軍の組織論的研究』

失敗の本質 - 日本軍の組織論的研究
初版発行日1991/8/10
戸部良一/寺本義也/鎌田伸一/杉之尾孝生/村井友秀/野中郁次郎 著
失敗の本質

感想
誰もがタイトル名を知っていると思われる本書。発刊以来ロングセラーであり、組織論の名著と言われているが、この周辺本は何冊か読んだが『失敗の本質』は今回初めて読んだ。ページ数も多く大変だが、これは是非おすすめです。
日露戦争での成功体験が基盤となり、環境変化に適応できなくなっていった組織という捉え方。司馬遼太郎は『坂の上の雲』で日露戦争を描いたが、第二次世界大戦を小説にすることはなかった理由を勝手に想像しながら読んでいた。



備忘のために各章の要約・抜粋を記載。

序章 日本軍の失敗から何を学ぶか
本書は、大東亜戦争における日本軍の失敗を現代の組織一般にとっての教訓とした生かし、戦史上の失敗の現代的・今日的意義を探ろうとする。

一章 失敗の事例研究

1.ノモンハン事件 - 失敗の序曲
作戦目的があいまいであり、中央と現地とのコミュニケーションが有効に機能しなかった。情報に関しても、その受容や解釈に独善性が見られ、戦闘では過度に精神主義が誇張された。

2.ミッドウェー作戦 - 海戦のターニング・ポイント
作戦目的の二重性や部隊編成の複雑性などの要因のほか日本軍の失敗の重大なポイントになったのは、不測の事態が発生したとき、それに瞬時に有効かつ適切に反応できたか否か、であった。

3.ガダルカナル作戦 - 陸戦のターニング・ポイント
失敗の原因は、情報の貧困と戦力の逐次投入、それに米軍の水陸両用作戦に有効に対処しえなかったからである。日本の陸軍と海軍はバラバラの状態で戦った。

4.インパール作戦 - 賭の失敗
しなくてもよかった作戦。戦略的合理性を欠いたこの作戦がなぜ実施されるに至ったのか。作戦計画の決定過程に焦点をあて、人間関係を過度に重視する情緒主義や強烈な個人の突出を許容するシステムを明らかにする。

5.レイテ作戦 - 自己認識の失敗
“日本的”精緻をこらしたきわめて独創的な作戦計画のもとに実施されたが、参加部隊(艦隊)が、その任務を十分把握しないまま作戦に突入し、統一指揮不在のもとに作戦は失敗に帰した。レイテの敗戦は、いわば自己認識の失敗であった。

6.沖縄戦 - 終局段階での失敗
相変わらず作戦目的はあいまいで、米軍の本土上陸を引き延ばすための戦略持久か航空決戦かの間を揺れ動いた。とくに注目されるのは、大本営と沖縄の現地軍にみられた認識のズレや意思の不統一であった。

二章 失敗の本質 - 戦略・組織における日本軍の失敗の分析
日本軍の戦略については、作戦目的があいまいで多義性を持っていたこと、戦略志向は短期決戦型で、戦略策定の方法論は科学的合理主義というよりも独特の主観的インクリメンタリズム(帰納的)であったこと、戦略オプションは狭くかつ統合性に欠けていたこと、そして資源としての技術体系は一点豪華主義で全体としてのバランスに欠けていたこと、などが指摘された。
組織については、本来合理的であるはずの官僚組織のなかに人的ネットワークを基盤とする集団主義を混在させていたこと、システムによる統合よりも属人的統合が支配的であったこと、学習が既存の枠組のなかでの強化であり、かつ固定的であったこと、そして業績評価は結果よりもプロセスや動機が重視されたこと、などが指摘された。(第三章冒頭部分より)

三章 失敗の教訓 - 日本軍の失敗の本質と今日的課題
日本軍は、自らの戦略と組織をその環境にマッチさせるのに失敗した。組織の環境適応は、かりに組織の戦略・資源・組織の一部あるいは全部が環境不適応であっても、それらを環境適合的に変革できる力があるかどうか。こうした能力を持つ組織を「自己革新組織」という。
日本企業の戦略は・・・帰納的戦略策定を得意とするオペレーション志向である。この長所は、継続的な変化への適応能力をもつことである。
日本企業の組織は・・・価値・情報の共有をもとに集団内の成員や集団間の頻繁な相互作用を通じて組織的統合と環境対応を行うグループ・ダイナミックスを生かした組織である。
日本企業組織も、新たな環境変化に対応するために、自己革新能力を創造できるかどうかが問われているのである。
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  1. 2014/02/21(金) 22:33:39|
  2. BOOK REVIEW
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

No title

先を越されてしまいました(笑)
自分もまとめあげます!
  1. 2014/02/23(日) 13:42:30 |
  2. URL |
  3. 才 梅太郎 #-
  4. [ 編集]

>梅太郎さん

梅太郎さんがそろそろまとめるころだろうなあと思い、先行させてもらいました(笑) 次回会ったっときに語り合いましょう!
  1. 2014/02/23(日) 17:35:16 |
  2. URL |
  3. Yoshi #-
  4. [ 編集]

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