misc@Y − 日々の徒然

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読書録 『アメリカよ、美しく年をとれ』

久々の読書録アップです。

『アメリカよ、美しく年をとれ』 猿谷 要(さるや・かなめ)
岩波新書 2006年8月発行

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<著者略歴>
1923年生まれ。東京大学文学部卒業。その後同大学院修了。日本大学、東京女子大学、駒沢女子大学教授、およびハーヴァード大学、ハワイ大学、コロンビア大学、エモリー大学、コロラド大学などの客員研究員を歴任。現在、東京女子大学名誉教授。専攻・アメリカ史。

<本書の概要>
本書の内容は、本書のカバーに書かれていることばによると、次の通りです。
『かつて若い国、自由の国として世界から愛されたアメリカは、いま巨大な軍事力に支えられた「大米帝国」として嫌われ、衰退に向かうかに見える。やがて老醜をさらすことになるのだろうか。半世紀以上、リベラルな立場から歴史家としてこの国とつき合ってきた著者が、その心象風景に重ねて米国の明暗を描き、今後の進むべき道を提示する。』

<読書感想>
 著者の作品を読むのは記憶するなかではこれが二冊目です。一冊目は『物語 アメリカの歴史 超大国の行方』(中公新書)を、2000年の春先に読んでいるはずだ。仕事でアメリカに赴任することが決まり、アメリカの歴史や社会について知るために、当時何冊か読んだ書籍の中の一冊だった。

 9・11の前後で自分の周りの風景はかなり変わったことは記憶に新しい。突然、職場の机のひとつひとつに星条旗が掲げられた。街を走るクルマのほとんどが星条旗や派兵を支持するステッカーが貼られた。こういう変化の中に身をおいた自分としては、アメリカ成立からブッシュ政権のとった政策までを、アメリカという国を一国のライフサイクルとして捉えた著者の表現に大変興味を感じ、また納得することの多いアメリカ学です。
 
 アメリカの歴史はその出現の時から、他民族との戦いと融合の繰り返しである。著者はアメリカを壮年期に入ったと捉え、美しく年をとれ、軍事力より文化力をと語りかけている。時代が進むにつれ、アメリカが近現代に残した文化はいずれ古典に変わっていきます。有形・無形の文化遺産を後世に残し、文化的な影響力を残し続ける国であって欲しい。

 自分にとってアメリカ第二の故郷と言って良いくらいです。そんなアメリカが「美しく年をとる」とますますその魅力がますでしょう。
一方、安部首相が唱える『美しい国、日本』は既に国力が壮年期に入っていることを自覚してのことだろうか。

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